禁忌恋愛
「怒らない、の?」


「フフッ。怒らないわよ。本当はあたしもゆうくんを愛していたけどね」


「ねぇ…どうして気づいた?」


「女の勘かしら」


フフッと笑い缶をゴミ箱に投げ、お母さんは立ち上がった。


「もう行くわね」


「お母さん!」

「なぁに?」

「またメールするね」

「待ってるわ、美衣」


今度は
置いて行かないで。

そう言いたかったけど、お母さんを信じようと思って言わなかった。


電車に向かって歩き出すお母さんの背中に声をかける。


「ねぇお母さん、娘は女になれないよね」


「さぁ、どうかしら?」


ヒラヒラと振る手を見てあたしもお母さんに手を降った。


「どうかしら…かぁ」

娘が女になるにはどうしたらいいんだろう。

実際は娘じゃないけど…。

頑張ってみよう。

ゆうくんに女として見てもらえるように。

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