チェリーをあげる。
うつむいた私に、渡さんは更に訊いてきた。
「そういえば雛ちゃん、昼間っからなんかおかしいなと思ってたんだけど…、もしかして俺に何か期待してたりするわけ…?」
「えっ…?」
「だって、風呂上りにいきなりそんな格好してくるし…。俺のこと誘ってるわけ…?」
「あ…、これはその…」
「どうなの?」
「……」
渡さんの目はやっぱり怖かった。
彼に言われたことは図星だ。
「ごめんなさい…」
とりあえず謝ると、渡さんがため息をついた。
「そっか…。やっぱり俺に何か期待してたんだ…?」
「それはその…」
なんとなく口にしづらかったけど、ここまできたらもう全部言うしかないと思った。
「期待してたと言えば、期待してたかも…」
「え…?」
渡さんの顔が少し怖かったけど、
私達付き合ってるんだし、別に正直に言ってもいいよねと思った私は、
ドキドキしつつ言葉を続けた。