チェリーをあげる。

翌日。


渡さんは何事もなかったようにしていたけど、


始終無言で、朝ご飯が終わると早々とひとりで部屋へ戻っちゃったから、


すっごく空気が悪かった。



渡さん、やっぱり昨日のこと怒ってるんだって思うと、なんとなくこっちも沈んでしまう。




渡さんがいなくなったテーブルでひろぽんに訊かれた。




「やっぱお前ら昨夜うまくいかなかったのか…?」


「うん…」


「そっか…。でも最近は女や恋愛に興味ない男もいっぱいいるみたいだからさ、渡さんもそのひとりだったんだって思って、あんま気にしない方がいいんじゃない…?」




ちーちゃんが言った。




「そうだな…。ま、雛が早くバージンを捨てたいって言うんなら、誰か手頃なヤツ紹介してやってもいいしな」




ひろぽんも笑った。




そんなこと言われても、


余計へこんでしまうんですけど…(泣)。
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