チェリーをあげる。
06 出現?新たな救世主
渡さんの言葉に放心状態でいると、ふいに携帯のメール着信音が鳴った。
見ればよっこからのメールだった。
[おつかれー。旅行はどうだった?ちーちゃんの“脱・チェリー作戦”はうまくいったの?]
メールを読むやいなや、私はよっこに電話をかけていた。
「よっこぉぉ…!」
電話がつながった後、半泣き状態でこの3日間の話をすると、
よっこは「そっか」とため息をついた。
〈ちーちゃんとひろぽんも余計なことしてくれたもんだね…。ま、それに乗っかった雛も雛だけど〉
「だってぇ…」
〈まあ、雛の気持ちもわからなくはないけど、渡さんを怒らせたのは事実なんだし、とりあえず彼に謝って、何とかやり直してもらえるよう頼むしかないんじゃい…?〉
「でもさっきの感じだと、渡さん、もう私からの電話もメールも受け付けてくれないよ…」
こちらもため息をつくと、
よっこが強い口調で言った。
〈何、弱気になってんの…?電話やメールがダメなら、直接会いに行けばいいじゃん〉
え…?