チェリーをあげる。

ここは一体どこなんだろうとあたりを見回すと、


ドアを挟んだ両脇に2段ベッドがひとつずつ、更に机がふたつずつ置いてあった。



どうやら寮の一室らしい。


4つの机にはそれぞれ私物が置かれていたので、ここには4人の学生が生活してるんだろうということが推測された。



畳の上には雑誌やCDやアルコール飲料の空き缶なんかが散乱していて、


上には洗濯物が大量に干されている。




男性用の派手な下着がフツーにひらひらしているのを見て、私は思わず目をそらしてしまった。






すると伸さんが缶コーヒーを2本持って戻って来た。




「はいこれ、どうぞ」




彼がその1本を差し出してくれたので、私はその場に正座し直し、それをありがたく受け取った。




「すみません…」




プシュっとプルを倒して、コーヒーをひとくちいただく。



冷たい液体が喉を通ると、少しだけ気持ちが落ち着いた。
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