チェリーをあげる。

やっぱり私、渡さんとはもうダメなんだ…?



モトサヤに戻れないんだ…?






自棄になった私の口は、ついこんな言葉を発していた。




「ねえ…、渡さんは私がエッチをせがんだから嫌になったの…?それとも他に理由があるわけ…?」


「え…?」




窓の方を向いていた彼がこっちを振り返った。




「私が元カノみたくしつこくせまったから…、渡さん、私のこと嫌いになっちゃったの…?」




彼に詰め寄りそうたずねると、


渡さんはまた深いため息をついた。




「ごめん…。もしかすると俺、まだ元カノのこと引きずってるのかもしれない…」


「え…?」


「あいつのことがまだ気にかかってるって言えば、気にかかってるんだ…。あいつとは別れて結構経つから、そろそろ他の人とも付き合えるかなって思ってたんだけど…、よく考えたら俺、ホントは心がまだそういう状態じゃなかったんだ…」




…は?
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