チェリーをあげる。

「だってそうだろ…?渡の姉ちゃんと仲良くなれば、姉ちゃんから元カノを紹介してもらえるかもしれないし」


「それはそうかもしれませんけど…」


「だろ…?そういうわけだから、今から渡んちに電話して、姉ちゃんに会えそうかちょっと様子をうかがってみるよ」




伸さんはポケットからくたびれた紙切れを取り出し、


それを見ながら携帯電話のボタンをゆっくり押し始めた。




渡さんの元カノに会うというのはやっぱり気が進まなかったけど、


これも全て渡さんと結ばれるため、


自分の幸せのためなんだと考えると、


なんとなくあきらめもつくような気がした。
< 143 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop