チェリーをあげる。
〈今日は手紙、ありがとうございました…。早速読ませていただきました…〉
「あ…、いえ…、こちらこそすみませんでした…。いきなりあんな手紙もらっても、きっと迷惑でしたよね…。あは…、あんまり気にしないでください…」
これからなんらかの返事が来るのだろうと思うと、急に弱気になってしまう。
〈それで、あの手紙の返事なんですけど…〉
「あ…、はい…」
〈若井さんの手紙には、僕と付き合いたいみたいなことが書かれていたんですが…〉
彼が一瞬言葉を切った、その微妙な間に心拍が上がった。
私は一応断られることも覚悟して目を閉じた。