チェリーをあげる。

私が思わず固まっていると、




「そんなとこに突っ立ってないで座れば?」




ベッドに座ってテレビのリモコンをいじり出した伸さんが言った。




「はあ…」




とりあえず椅子に腰掛け、伸さんがつけたテレビに目をやると、




「えっ…」




思わず顔から火が出そうになった。




〈あんっ…、あんっ…、あんっ…〉




女の人のエッチな音声とともにテレビに映し出されたのは、


いわゆるアダルト番組。




私が思わず目をそらすと、


伸さんが私に訊いてきた。




「あれ…、雛ちゃん、こういうのダメ…?」




私は首を縦に振った。



こんなの、恥ずかしくて見れないに決まってるよ…!




私がうつむくと、伸さんは




「そうなんだ…。こういうのを見ると、それなりに勉強になると思うんだけどな…」




そう言って、冷蔵庫の中を覗き始めた。




…そんなこと言われても、


私、ホントにこういうことに疎いし。



やっぱダメだよぉ…。
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