チェリーをあげる。

どう考えても、やっぱり全裸で出て行くのは恥ずかしかった。



私は髪を後ろに束ねると、そこにあったタオルで体を隠すようにしてバスルームに入った。




「遅かったじゃん。早くおいでよ」




大きなバスタブにつかっていた伸さんが、私に笑いかけた。




「はっ、はい…」




お湯から出ている伸さんの鎖骨がはっきり見えた。



男の人にハダカを見せるのは初めてだったけど、男の人のハダカを見るのも初めてだった。



恥ずかしいので、伸さんから目をそらしつつバスタブに入る。




「失礼しまーす…」




おそるおそる入ったお風呂は、贅沢にもジャグジー付き。



壁にもリッチにテレビなんかが付いている。




泡がブクブクと湧き出る中、私は伸さんと向かい合う形で、


でもできるだけ彼と距離を取るよう、


体育座りの足をできるだけ引っ込めて湯舟につかった。
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