チェリーをあげる。
家に着くやいなや、睡眠不足の頭でぼーっと考える。
伸さんの言葉が頭の中でこだまする。
“君の問題は渡とヨリを戻すことじゃなくて、早く処女を捨てたいってことだろ…?”
“君は早く経験したいだけで、別に相手は誰でもいいんだよ”
そんなことを言われて私もつい伸さんについて行っちゃったけど、
実際伸さんに迫られて、
ホントはそうじゃなかったってことがよくわかった。
私…、
やっぱり渡さんじゃないとダメなんだ…。
初体験はやっぱり渡さんとしたいんだ…。
そんなことに気づいたものの、
私は礼さんのことでまた渡さんを怒らせちゃったみたいだし、
伸さんとこんなふうに気まずくなった今、
もう彼の寮を訪ねて行くこともできない気がした。
渡さん、たぶん電話には出てくれないだろうから、
そうすると次はバイト先で待ち伏せなきゃいけないかな…。
うーん…。