チェリーをあげる。

聞けばよっこは午後から彼氏のところへ行くと言う。




けど、


今の気持ちをとにかく聞いてほしかった私は意地になって言った。




「じゃあさ、お昼一緒に食べに行かない…?私おごるから」


〈え?〉


「午後から出かけるんなら、どーせお昼食べてから行くんでしょ…?だったら私がおごるから、一緒にどっか食べに行こうよ…?ね…?」




そうよっこを説得すると、




「仕方ないなあ…。じゃあ彼のとこに行くのはあんたとご飯食べた後にしようか…」




彼女は私と会うことをなんとか承諾してくれた。




〈お店は私が決めていい…?〉




そう言われたので、私は「もちろん」と答えた。




〈言っとくけど、あんたの悩みを聞いてあげられるのは、注文したのが出てくるのを待つ間とそれを食べてる間だけだからね〉


「はいはい、わかってますって…!」




電話を切った私は、着替えて待ち合わせの店へと急いだ。
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