チェリーをあげる。

店員に注文を告げると、よっこは私に訊いてくれた。




「で、今日は一体何があったの…?」




私は待ってましたとばかりに口を開いた。




「それがね…」




私は渡さんの実家まで行って元カノに会って来たこと、


元カノに渡さんにはもう未練はないと伝えてほしいと頼んだこと、


それで元カノが渡さんに連絡を取ったら彼が怒ってしまったこと、


更に伸さんに言われるままホテルに行ったけど、結局何もせずに帰って来たことなどを全部話した。






するとよっこはため息をついた。




「雛…、やっぱあんたってガキだね…」


「え…?」




運ばれてきたパスタを口に運びながら、よっこは私にあきれたように言った。




「だってそうでしょ…?彼氏でもない男にそんなのこのこついて行くなんて、ホントバカとしか言いようがないよ」


「えっ…」




私はフォークを握る手を止めざるを得なかった。




「大体雛は男を何だと思ってるわけ…?その伸さんて人がイイ人だったからよかったものの、そうじゃなかったら今頃どうなってたかわかんないよ…?」


「うっ…、うん…」
< 212 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop