チェリーをあげる。

よっこはパスタをフォークにからませながら続けた。




「私に言わせればさ、男にエッチしてもらわなきゃって考えてる時点でもう終わってるよ」


「え…?」


「だって考えてみなよ…?男と女って、別にエッチするために一緒にいるわけじゃないでしょ…?」


「う…、うん…」


「だったら別にいいじゃない、エッチなんかしてもらわなくたって」


「え…」


「雛は未だにチェリーだってことを恥ずかしがってるけど、そんなの気にしないで堂々としてればいいじゃん」


「…そ、そうかな?」


「そうだよ…。そんなの、全然焦らなくていいし…。そんなことより彼氏とふたり、同じ気持ちで進んでいくことを考える方がずっと大事じゃない…?」


「彼氏とふたり…、同じ気持ちで進んでいく…?」


「そう…。人間、セックスするだけが全てじゃないんだからさ…。もっとふたりでできることとか、共通の夢とか目標を見つけるとかしてさ…、男との付き合いをもっと違う視点から捕らえなきゃ、あんた誰と付き合ってもそういう薄っぺらい交際しかできないと思うよ」




よっこはすごい剣幕で私を諭した。
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