チェリーをあげる。

…彼女に言われると、何となくそんな気がしてくるから不思議だ。




「そっか…」




私がうなだれると、




「そうだよ…。例えば私と彼みたいにさ…」




そこまで言って、よっこは何かを考えるように言った。




「雛さ…、あんたこの後ヒマ…?」


「え…?」


「もしよかったら、この後私に付き合わない…?」


「えっ…?」




私は首を傾げた。




「でも、この後って彼氏とデートじゃないの…?」


「んー、彼に会うと言っても、別にデートってわけでもないから」




よっこはそう言って、残りのパスタを片付ける。




「でも私なんかがついて行っていいの…?」


「うん。あんたさえよかったら一緒に来てよ」




よっこがそう言うので、私はそのまま彼女に同行させてもらうことにした。




よっこは一体、私に何を見せようというんだろう…。



彼氏とのラブラブなとこを見せようって言うんなら、それはちょっと遠慮したいんだけど…。
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