チェリーをあげる。

食事と会計を済ませて外へ出ると、登りつめた太陽がジリジリと私達を照らした。




また暑くなりそうだなあ…。




右手で目の上に日よけを作った私に、


よっこが「すぐそこだから、ちょっと歩いてもいい?」と言った。




「あ…、うん…」




私がうなずくと、




「ごめんね」




よっこは軽く謝って、私の前をスタスタ歩き始めた。






大きな紙袋を持った彼女の後ろを歩くこと約5分。



バス通りに面した大きな建物の前に出ると、


よっこは「ここなの」と言って、その敷地へ入って行った。




見上げれば、


〔総合リハビリテーションセンター ××病院〕


との看板が掲げてある。






病院…?


彼氏とデートだっていうのに、どうして病院なんかに来るわけ…?



よっこの彼って、医療関係の営業だったっけ…?



それともどっか具合悪くて、ここに通院か入院してるのかな…?
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