チェリーをあげる。
しばらくして突き当たりの大きなドアにぶつかると、よっこはその扉を開けた。
「入って」
「え…?」
よっこに続いて中に入ると、そこは広い空間で。
数種類のリハビリ設備と、数人のふたり組が目に飛び込んできた。
ふたりのうちのひとりは病衣かジャージという出で立ちで、
もうひとりは療法士とでもいうのか、看護師のような独特な格好をしていて、患者が体を動かす介助をしていた。
…そっか。
ここはリハビリをする部屋なんだ…。
部屋の中を見回してみると、
手すりにつかまりながら歩く練習をしていた男性が「容子…!」と叫んでこちらに手を振り始めた。
“容子”…?
よっこの方を見ると、彼女も彼に手を振っていた。
もしかして、この人がよっこの彼…?