チェリーをあげる。

失言を悔やむ私に、よっこは再び目を合わせた。




「子どもは、たぶん産めないと思う…」




え…?




「ど…、どうして…?」




私がたずねると、よっこは大きく息を吐いた。




「彼…、脳につながる脊髄がいかれちゃった関係で、残念だけどエッチもできないんだってさ…」


「…うそ」


「ホント」




よっこは3度目のため息をついた。




「脊髄も壊れちゃうと、脳があそこにそういう指令を送れないんだって…」


「そんな…」




また何て返せばいいかわからなくなった。
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