チェリーをあげる。

うつむく私に、よっこは続けた。




「けどね、私…、それならそれでいいかなって思ってるんだ…」


「え…?」




再び彼女の方を見ると、よっこはしっかりした口調で言った。




「だってさ…、さっきも言ったけど、私、男と女ってセックスだけが全てじゃないって思うし、セックスなんかなくても、それに代わる大事な何かを共有できれば、きっともっと確かな絆で結ばれると思うんだよね…」


「よっこ…?」


「だってそうでしょ…?たとえばふたりで共通の夢や目標を持つとするよ…?そしたらそれに向かって一緒に頑張ることになるわけだから、セックスで表面的につながるより、もっと内面的に、ずっと深いつながりを持てるんじゃないかなって思うんだ…。違う…?」


「それは…」




私は何もコメントできなかったけど、よっこが言いたいことは何となくわかる気がした。
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