チェリーをあげる。
11 突然のひらめきと決意
翌日。
伸さんを真似てこっちの名産品をたくさん買い込んだ私は、
ひとり深夜のバス乗って、渡さんの地元を目指していた。
日付が変わって数時間後。
バスを乗り換え、ようやく目的地に到着すると、
伸さんと来たときと同じバス停に降り立ち、携帯から礼さんに到着の連絡を入れた。
少しすると礼さんと渡さんのお姉さんが迎えに来てくれたので、
私はふたりに手土産を渡し「お世話になります」と挨拶した。
礼さんは「気ぃ遣わせちゃってごめんね」と言って、私の荷物を持ってくれた。
彼女に会うのは今日で2回目だったけど、
相変わらず化粧っ気がなく、服装だってパーカーにホットパンツで、非常にさっぱりした印象があった。