チェリーをあげる。
「えっと…」
どうせ言ってもわからないだろうと思いつつ、
「アイライク、ヨージロー・イシザカ、アンド、ジュンイチロー・タニザキ、とか…?」
素直にそう答えると、
「へー。ジャア、ワタナベジュンイチナンカモ、スキデショウ…?」
と笑われた。
「オー、イエース…」
ジェリーは見た目バリバリの外国人なのに、なぜか日本文学に詳しかったからびっくりした。
大柄で怖そうな見た目とは裏腹にやけに気さくだったので、私は彼とすぐ打ち解けることができた。