チェリーをあげる。

礼さんと彼氏が英語でごちゃごちゃ話しているのを聞きながら、


私は自分も彼氏と一緒に祭りや花火大会に行きたいと思っていたことを思い出した。




渡さん、今頃何してるかな…?



きっとまたバイトだよね…。




こんなところで遊びほうけている自分がなんだか恥ずかしくなる。



私なんて学費も生活費も親に出してもらっていて、


バイトを始めた理由だって、男の人との出会いを求めていたからなのに、


ホント渡さんはエライよ…。




暗くなっていく空を見ながらただ座っていると、いても立ってもいられなくなる。




…けど、


暗い海から花火が上がると、水面に咲く大輪の花につい夢中になってしまった。
< 249 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop