チェリーをあげる。

「店長…?」




ちょっと邪魔なんですけど、どいてくれませんか?




そう言おうとした瞬間、


彼は小さな目をぎらっと光らせ、


私の両腕をつかむと、そのまま私を個室の中へと無理矢理押し込んだ。




「え…?」




ドキドキし始めた私をよそに、店長は自分も中に入ると、


ドアのカギをガチャンとかけて、その前に立ってニヤニヤした。




「ちょっ…、店長…?」




わけがわからずたずねると、


店長は私の両手首をつかんで、その脂ぎった顔を私に近づけた。



加齢か汗のきつい匂いがつんと鼻につく。




思わず顔をそむけると、彼は耳元でこう言った。




「君って確かお金が必要だったよね…?」


「え…?」




再び店長の方を向くと、


彼は小さく細い目を更に細めて言った。




「じゃあさ、時給アップしてやるから俺と付き合わない…?」


「え…?」
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