チェリーをあげる。

「渡さん…」




渡さん、私のこと助けてくれたんだね…。




そう思ったら急に涙があふれてきた。




「ほら、早く逃げろよ…!」




渡さんにせかされて、




「う…、うんっ…!」




私は何も言えないままトイレを出た。






荷物を持って店外に出た後も、


私はそのまま帰ることができず、駐車場のところで渡さんが出てくるのを待っていた。




やけに胸がドキドキしている。




渡さんが出て来るのをしばらく待ってみたけれど、


渡さんどころか店長だって一向に顔を見せなかった。




渡さん、どうしたのかな…。



まさか、店長にやられちゃってる…?




そんな不安が胸をよぎると、


遠くの方から救急車のサイレンが聞こえてきて、


間もなく駐車場に救急車が入って来た。
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