チェリーをあげる。
壁にかけられたカレンダーをにらむ。
渡さんの誕生日までまだ2週間ほど時間がある。
この2週間で新しいバイト先を見つけて、もっとお金を稼がないと。
翌日から私は求人情報誌を読んだり、
大学の掲示板でバイトの募集をチェックしたり、
サークル仲間を頼ったりして、新しいバイト先を探した。
(それも少しでも時給が高いところを☆)
血眼になって探したかいあって、間もなく私は街頭ティッシュ配り(昼間)と、パチンコ店の清掃業(夜間)をすることになった。
パチンコ屋の夜間清掃業は時給がよく、
街頭ティッシュ配りは日給制だったから、短期でお金を貯めるにはちょうどよかった。
もちろん渡さんに言われたとおり、バイト中はメイクにも服装にも気を遣った。
メイクはほどほど、服装だって地味にいったら、変な男に言い寄られることはなかった。
伸さんもホテルで何か忠告してくれたけど、きっとこういうことを言いたかったんだと思う。
今更ながら自分を恥じる。