チェリーをあげる。
13 恋の女神は私に微笑む?
気がついたら、
私は渡さんと待ち合わせた公園を歩いていた。
陽は既に暮れていて、あたりはもう薄暗い。
「渡さん…?」
彼の名を呼んでみるけど、渡さんらしき人の姿はなく、返事だって聞こえてこない。
「渡さん…?」
しばらく探し歩いたけど、やっぱりどこにも見当たらなかった。
どうしよ…。
もしかして、私が遅刻したから怒って先に帰っちゃったのかな…?
気づけば私は手に何も持っていなかった。
そう言えば私、
ここに来る前にひったくりに会って、渡さんにあげるはずだった手紙と祝儀袋を盗まれちゃったんだ…。
どうしよ…。
これじゃ今までの努力が水の泡、
渡さんと復縁する計画だってダメになっちゃう(泣)。