チェリーをあげる。
その次に私が連絡したかったのは渡さんだ。
同じくタウンページで渡さんの寮の番号を探し、電話をかけてみる。
寮にはすぐつながったけど、渡さんを呼び出してくださいと言ったら、あいにく留守だと言われてしまった。
受話器を置く手が鉛のように重かった。
どうしよ…。
渡さん、きっと私のこと、約束すっぽかしたバカ女って怒ってるよね…?
どうしよ…。
せっかく稼いだお金もなくなっちゃったし、
私、もう渡さんに合わせる顔がないよ…(泣)。
とりあえず110番してひったくりに遭ったことを警察に告げると、
私は重い足取りで再び看護師さんのところへ戻った。