チェリーをあげる。

「それで、雛ならここに入院しましたって言ったら、直接会って確認したいからって、こちらに来てくださったの」


「えっ…」




警官は持っていた紙袋の中から私のバッグを取り出した。




「このかばん、あなたのものですか?」


「あ…、はい、そうです…!ひったくりに遭ってなくなったバッグです…!なんだ、見つかったんですね…。よかったー」




私はバッグを受け取り、中を確認した。




…けど、


祝儀袋は入ってなくて、


財布も開けてみたけど、小銭までしっかり抜き取られていた。



なぜか渡さんに宛てて書いた手紙もない。




うそぉ…。


あのひったくり、手紙まで持っていっちゃったの…?!




そりゃないよ…(泣)。
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