チェリーをあげる。

ガックリする私の心に、新たな疑問が浮かび上がる。




…もしかすると私、


これ拾ってくれた人にいくらかお礼しなきゃいけないのかな?



あー、更なる出費だ(泣)。




「すみません…、これ、どこで誰が見つけてくれたんです…?もしかして私、その人に謝礼とかしなきゃいけませんよね…?」




警官にたずねると、彼は眉を下げて言った。




「それが、それを届けてくださった方はただあなたに会いたいとだけ言ってきましてね…、今廊下で待ってもらってるんです」


「え…?」


「お呼びしても構いませんか?」




そう訊かれて一応「はい」と答えると、


警官は病室のドアを開け、廊下に向かって声を上げた。




「君、中に入りなさい」
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