チェリーをあげる。
「…それにしても、君の手紙には改めて反省する機会を与えられたよ」
コーヒーを一口飲んだ渡さんが言った。
「え…」
私もストローから口を離すと、渡さんはその目を細めた。
「さっきも言ったけど、雛ちゃんがくれる手紙には、毎回俺を変えてくれそうな、変な力を感じるんだよね…」
「…そ、う?」
「うん」
渡さんはうなずいた。
「君にはホントに、俺を変えるすごい力があるのかもな…」
「え…?」
瞬きする私に、渡さんは息を吐いて続けた。
「今話してて思ったんだけどさ、君は俺を想って変わってくれたわけだろ…?」
「あ…、う…ん」
「だったら俺も君といることで、今度こそ新しい自分に生まれ変われたらって思うんだ」
え…?