チェリーをあげる。

一瞬彼の発言に言葉を失ってしまったけど、


とりあえず「うん…」と言って、財布から五百円玉を出して彼に渡した。




その後、会計を済ませた彼はきっちりおつりを返してくれたので、私はそれを黙って受け取った。




…そっか。


渡さんはきっとお金にきっちりしてる人なんだね…。



“ケチ”とかじゃなくて、“しっかり者”っていうか…。




うん…。


きっとそうだ…。




こんなお店で済ませるのも、きっとちゃんと貯金とかしてるからなんだろうな…。



渡さん、私といっこしか違わないのにエライよ…。






とりあえずそう思って納得することにした私。



そう思わなきゃ、この先渡さんとは付き合っていけない気がした。