チェリーをあげる。
すぐに行けそうなスキー場を見つけてもらって、
宿泊の予約や新幹線の切符を手配してもらう。
私の顔は自分でもわかるくらいずっとにやけていた。
…別に変な期待や想像をしてたわけじゃない。
いくらお泊りOKって言っても、渡さんのことだ。
おそらく何もなくて当たり前。
…っていうか、何かある方がおかしいだろう。
渡さんの彼女に復帰し、早2ヶ月。
そのへんはちゃんと理解しているつもりだ。
渡さんと旅行に行く話をちーちゃんにしたら、
「今度こそ頑張ってくるのよ!」なんて言われたけど、
私は勝負下着だってコンドームだって、旅行には持っていかないことにした。
…だってさ、
別にあせって急がなくても、
“そのとき”が来れば、
きっと恋の女神様は
たやすく私に経験させてくれるんだろうって、
思えるようになってきたんだもん…。