チェリーをあげる。
そんな…、
記念すべき初デートだっていうのに、
もうこれで終わりなの…?
見れば腕時計は10時半をさしていた。
あたりには幸せそうなカップルがまだたくさんうようよしている。
私、まだ帰らなくても大丈夫だよ…。
体力には自信あるし、
少しぐらい睡眠時間が減っても大丈夫…。
だからもう少し一緒にいたいんだけど…。
そう思ったけど、私はそれを声にすることができなくて。
結局彼に言われるまま、
再び「お願いします」と、その助手席に乗り込むのだった…。