チェリーをあげる。

ある晩。


私はメールで渡さんに訊いてみた。




[土曜日はありがとう。
ところで、
ちょっと思ったんだけど、デートの誘いはいつも私からじゃない?
渡さんの方から誘ってもらえることってあるのかな?]




すると、返ってきたのはこんな返事で。




[ごめん。俺、携帯の料金プランを一番安いやつにしてるから、できればあんま通信費を使いたくないんだよね]




私はとことんケチな…、もとい、かなりしっかりしている渡さんに改めて感心しつつも、


ホントに自分は彼の彼女なのかと疑ってしまった…。




渡さんの存在自体は何の申し分もない。



…けど、


渡さんとの付き合いには不満や疑問だらけだ。




そうは言っても、それを渡さんに話して、せっかく始めた関係をあっさり終わらせてしまうのも嫌だ。




なんたってまだやることやってないし、


初体験の相手は絶対渡さんって決めてるし、


やっぱり、


こういうのが普通って思って、この試練(仕打ち?)に絶えるしかないのかなぁ…。
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