チェリーをあげる。

ある日の昼休み、


学食で3人でお昼を食べていたときのこと。


私はよっことちーちゃんに渡さんとのデートの概要、彼に対する不満や疑問などを事細かに話していた。



ふたりには彼氏ができたことを話してはいたけど、


渡さんの人柄やデートの中身について、こんなふうに聞いてもらうのは初めてだった。




「…そういうわけなんだけど、ふたりはどう思う?」




私の話によっこは、




「へー。今時真面目でイイ男じゃん」




と言った。




「お金にしっかりしてるってとこは、浪費家で貯金のないダメ男よりマシだと思うし、そう簡単にカラダを求めてこないってのも、雛との付き合いをそう軽く考えてないってことでしょ…?イイ男だと思うよ」


「そ…う?」


「よくわかんないけど、簡単にやられて簡単に捨てられるよりは、そういう付き合いの方がいいんじゃない?」




よっこがそう言うと、今度はちーちゃんが口を開いた。
< 51 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop