チェリーをあげる。

「そうだね。若い男なんて、たいていみんな女とやりたいって思ってるような生き物じゃん…?カラダ目的の男なんて、親しくなったらすぐやろうやろうってしつこいしさ…。そういうやつらに比べれば、雛なんて大事にされてる方だよ」


「そう…?」


「うん…。だからそんな悩まなくていーよ」




ちーちゃんは明るく笑った。




けど、


そんなこと言われても、私としてはどうも心が晴れない。




「でもさ、私だって早く大人になりたいわけじゃん…?」


「大人…?」




よっこが箸を動かす手を止め、私の方を見た。




「大人って、どういう意味…?」




そうはっきり訊かれると、どうしたって赤面してしまう。




「だからその…、早くチェリーを卒業したいってことだよ…!」




私は小声で叫んだ。




「…なんだ。その話か…」




よっこは口元をゆるめた。
< 52 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop