チェリーをあげる。

その夜。


私は早速渡さんに電話して、ちーちゃんが計画してくれる旅行の話をしてみた。




「…なんかね、友達のおばさんが、日本の渚百選に選ばれた海の近くで民宿やってるんだって…。すっごくキレイなとこで、宿泊費もタダにしてもらえるみたいでね…。友達が2泊3日くらいで彼氏と行くから、私と渡さんも行かないかって誘ってくれたんだけど…、どう…?一緒に行けそう…?」


〈へー。そんな話が出てるんだ〉


「うん…」




ドキドキしつつ彼の返事を待っていると、




〈海か…。そう言えば去年は全然行かなかったな…〉




渡さんはそんなことを言った。




「じゃあ、ちょうどイイじゃない…!ね…?夏休みの思い出作りにさ…?」




私が必死で説得すると、




〈そうだな…。じゃあ、せっくだから参加させてもらおうかな…〉




結局渡さんはこの件について承諾してくれた。




「ホントに…?」

〈うん…。3日くらいならバイトも休み取れるだろうし〉




や…、やったー!!
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