チェリーをあげる。
また断られて作戦が失敗したらどうしようと思ったけど、
渡さんはこっちを向いて
「腕枕…?いいよ、別に」
そう言って、私側の腕をこちらに投げ出してくれた。
やった…!
もしかして、今度こそ上手くいったりする…?!
予定通りに事が進んでくれていることを嬉しく思いつつ、
渡さんが差し出してくれた腕に「ごめんね」と頭をつけると、
意外としっかりしてる彼の腕に、緊張して頬が熱くなった。
渡さんの方に体を向けると、
彼はあお向けになったまま目を閉じていて、既に眠っているようだった。
チャンス…!