【さみ短2】桜咲くとき
「みやび…、深也美だわ。
ここにいたのね?」
意識を取り戻した恵深は私を【みやび】と呼ぶ。
「私はハルよ…。」
言葉の端々が震える。
私の頭で、ある光景が断片的に思い出される。
急に頭痛がし、息が出来なくなる。
『私、パティシエになりたい』
そんな言葉が頭に浮かぶ。
その時の光景が目に浮かぶ。
目の前が歪み、体が浮く。
最後に見た光景は、恵深の顔。
心からの笑顔だった。
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