Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
ドアを開くと
シン、とした空気
2階はコの字になってて
手摺りから下を覗くと、
吹き抜けの1階に
あのソファーには変わらず
青山さんと『彼女』が眠って居た
それにくっつく様にして
『彼』は床に、座ってる
……ホントに門番みたい
―― 違うのかな
もしかしたら『彼女』が逃げない様に
見張ってる…?
見ていたら
『彼女』がヨロヨロ起きて
同時に青山さんも起きた
ぐっすり寝てたっぽいのに
スゲーと思う
でも自分も、さっき起きたし…
「…トイレ」
青山さんは
そう言う『彼女』の片手を握りながら
「…一人で行けるか?」と
笑いながら聞く
暫く彼女は、それを考えていたけど
「…一緒に行く」と言い
『彼』はクスクス笑い
青山さんも「はいはい」と言いながら
目を擦る彼女の手をひいて
部屋の端にある洗面所に歩いた
さすがに中までは入らなかったけど
扉の横で
立ったまま待ってる
私は階段を降りて
『彼』の傍に行った
『…アズ、昨日
怪奇特集テレビで見たんだ』
「!!私も見た!
…夏の海特集だった…」
青山さんは
たまに「リュウジー」と聞かれ
その度に「居るよ」と笑いながら
返事をする
それを聞いて
『彼』も私も爆笑した
『彼女』は出て来た途端
青山さんに、ぶすっとした顔のまま
しがみつくし
青山さんも、腰の所で
それを受け止める
「皆いるから平気だよ」
そう言われると彼女は
しがみついたまま、一度上を向いて
青山さんを見つめ
次にクルっとこっちを向いて
もの凄い、可愛く笑った
「………これは……
かわいいなあ……………」
思わず、そう言ってしまう
「…あずる
少し熱あがってる
薬持って来るから待ってろ」
「うん」
私は無意識に
アズさんの腕を取ってて
青山さんが言うように
昼間触った時より、やっぱり熱かった