Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
多分
ここが本来、
女部屋に用意されたトコなのかも
かなり広い空間には
左手には大きなベットが一個と
枕元には、小さな花籠
右には大画面液晶テレビと
部屋の真ん中には、白い麻の敷物
その上には丸い卓テーブルと
かなり大きいクッションが三つ
真正面のベランダの景色は
白い額縁の中の
一枚の青い、絵みたいだった
私は明かりもつけないで
『彼女』と二人で、そこに立つ
…『彼』を『彼女』に逢わせようとして
勢いで走った時と同じとか
やった後に私は気が付くんだけど……
でも、
言ってやりたい事は
ハッキリしてるんだ。
「………そんなにさぁ
いい人じゃなくたっていいじゃん
もっと自分の事考えて
いいんじゃないの?!
ネットで会った人なんか
どーでもいいじゃん!」
…『彼女』は暫く、黙っていたけど
自分で自分の片手を掴んだまま
ゆっくり、話し出した
私が『彼女』の目を見つめてから
それを逸らさない
碧い目は
何処までも私を、見ている感じだった
「……そんなに
良い奴じゃないよ 私
私の事なんて何も知らないのに
何勝手に盛り上がってるんだろうって
かなり冷静だった」
「……それが普通と思うよ」
「…少し…かなり自暴自棄になってたし
ネットで告白して来る人ってね
"女です"って言うと
かなり多いんだ
でも皆、大概の人が欲しいのは
『ネットの中での理想の彼女』
周りでも、
それで実際会って
"イメージと違った"って
別れる所多いし
……ネットの勇者
ゲームの中で
それだけ時間使ってるって事は
リアル、何もしてない人が多いから
彼女がデート代毎回出したり
色々問題も多いって聞いてた」
「…それはわかる気がする…って言うか
アズさん、座りなよ」
私は『彼女』の手を引っ張って
床に座らせる
ヨロヨロっとなって
彼女はペタンとお尻を着いた
「…それが何で付き合う事になったの?」