Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



『……本当に待つから

5分で仕度して来て』


『彼』はヘルメットを外して
私に渡した


ゆっくり走ると
管理人室の前

『…すみません
メットの予備って、置いてますか』

「ああ ありますよ」


一度奥に行って出して来てくれた
彼のものより、小さなヘルメット

『…約束するから、行って来て』


『彼』は
あの日みたいに、優しく笑って
そう言ったから

――― 信じた



私は
ログハウスの二階に駆け上がって
急いで制服に着替えた

アニキとかが大声で
私を呼び止めてたけど知らない


そうやって必死に表に出て



――― バイクの、走って行く音



…管理人室の前から

『彼』とバイクは、消えていて


「―――… な…
んで平気で

嘘つくのよぉ!!!」





履きかけの靴の中に
砂が、入った






< 231 / 430 >

この作品をシェア

pagetop