Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜


あっと言う間に
車は、近所の海岸に着いた

ユリちゃんやシノと
去年、三人で座ってた海岸


「…ししょー。
もっとこうさ、
"Grid Model"の映像みたいに
道路すっ飛ばして
どこか遠くまで行くとかしないのー?!」

「アリゾナまで行くのかよ」と
青山さんは煙草を吸ったまま笑い
コンビニ袋を持って、
ドアを開き 砂浜に降りる

「アリゾナってどんなトコ?!」

「暑かったよ」

「後は?!」

「トカゲがいた」

「うひ」

青山さんがしゃがんで
袋から花火セットを出す

マキちゃんが降りて来て
私の横に座った

『彼』は
こっちを一瞬見たけど

すぐに自分の席のシートを倒して
大きく背伸びをする

そしてそのまま、目を閉じた


…疲れてるのかな


すると青山さんが

「PSP2、夕べやり過ぎで寝てないんだ
奴」

「…心配した私がアホっぽい」

マキちゃんが
サングラスのまま笑い出して
その手に青山さんが
花火の袋を開いた





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