Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
「…哀しくもあり
僕らは"商品"の部分もあるから
好きにやってる事が
世間のニーズに合えば売れる
合わなければ売れない。
ある大型バンドが出て売れたり
そのバンドが解散した後に
似た感じのバンドが
たくさん出て来るのは、そういう訳でさ
もし似た声質、
音楽性のバンドが被った場合
プロデュースする人間の好みに合ってるか
…いじりやすいかで
デビュー出来るか出来ないかが左右される
こんな事に影響されないのは
『Azurite』や『彼』並の
問答無用の魅力と才能が必要で
…ぶっちゃけ
俺らは、灰谷と出会って
かなりラッキーだったんだ」
「…楽器はバンドで
関係無いって事…ですか?」
「関係なくはないよ
…でもユカちゃんさ
"CheaーRuu"の、俺らの名前は
言えるかもしれないけど
他のバンドの楽器陣の名前とか
フルネームで言える、
全員の顔がわかる所
幾つくらいある?」
「…………」
「じゃあ ヴォーカルはどう?
あまりファンじゃない所のでも
結構わかるんじゃない?」
「……はい 」
「…ストロベリーピンクの
タカコちゃんはさ
どうしてもギターに気が行って
歌は、仕方ないから
歌ってる感じがするんだ」
「…!! 」
「無理にとは言わないし
好きな仲間達でやるって事が
バンドは一番大切だから
でも、
ヴォーカルいれてみるのも
いいかもって、少し思うな」
「 ヴォーカル… 」
「俺達だって、灰谷に会える事なんて
予想してなかったし
この先ユカちゃんには
いくつもの道が待ってて
その先に誰か、きっと居る。
なんのかんの言って
ユカちゃんが一番の
"音楽馬鹿"だしなー」
「私が?! マキちゃんがじゃなくて?!」
「そうだよね
俺もそう思うなあ」
「赤池さんまで…」
「だって
…"CheaーRuu"見ててさ
悔しそうな顔してたの
ストロベリーピンクの中で
ユカさんだけだったもの」