Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




そしてアズさんは
―――いきなり

二階から、飛び降りた



ホントに、トン と。


私の方が腰が抜けて
あまりの驚きに
声も出なかった

「ベース持って、散歩?」


下が砂浜だからいいものの…
ニコニコしながら
普通に立ち上がって、歩いて来る


―…… ぜ  絶対、コイツら

『彼』と アズさんは姉弟だ…

今 確信した…



「…びっくりして
考え事も全部、吹っ飛んじゃったよ…」

「え なんか居た?!」

「キョロキョロしなくても
私の目の前にいるって…」


…そういや青山さんが
無鉄砲って、言ってたね…



「何、考え事してたの?」



アズさんが私の横に
しゃがみ込みながら
綺麗な碧い目で見上げる


「―― んー… 進路とか、かなぁ」


「進路、かあ…」


「やらなきゃいけない事は
わかってるし
…皆にもいっぱいアドバイス貰って

――でもー
私の妄想の中ではー

…今頃はもうとっくに

海外遠征とかしててさあ…



…やっぱり私
ベース弾きたい…
―――ストロベリーピンクの皆と
バンドやりたいよ……」







「―……リュウジ!!
やっと言ったよ!」




――――― え


アズさんは立ち上がって
二階に声をかけた









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