Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



広さは大体
Jemuの三分の一位の
小さな観客席

ステージの上は
多分、四人あがったら
いっぱいみたいな感じで――

それでも
スポットライトは
天井から突き出すみたいに
ステージの上の、皆を照らしていた



「緑川さんと赤池さんが来た時

一緒に
連れて来て貰ってたのよ

…いつユカが
私達とやりたいって言い出すか
ずっと待ってた」



「ユカ、ライヴハウスの
"お腹いっぱい"の件依頼
なんか私達の事
避けてたって言うか…」

「…シノ 」


「うん〜 テンション下がってたもんね」

「…ユリちゃん 」





「おおお!!
ストロベリーピンクだ!!」


ガチャリと
遅れて入って来たのは
アズさんと、青山さん


―――アズさんの声で
一斉に皆が、固まった




……アズさんの
顔が、違う気がした

もしかしたら、
肌の色のせいかもしれないけど

照明に てらされた その表情は
すごく、『Azurite』っぽい


「…ユカちゃん、顔違うよ」


―――強い目で、そういわれた


「…それは、アズさんだょ…」

「 えー?! 」


青山さんが、煙草に火を着けながら
吹き出すみたいに笑った



「あずる、俺ミキサー弄るから」

「 うん 」


高い背が、ひょいとステージに上って
右手で「ごめんね」と言いながら
シノの後ろを通り、奥へ入る



―――― 観客席には

『Azurite』 ひとり。



話しかけようとして
私も、固まった




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