Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
―― アズさんと、アニキが居ない
そう思った時
ログハウスの扉から
二人が出て来た
「悪ィ!
ちょっと仕度、手間取った」
「アズさん!!」
「ご、ごめんなさい皆!
これ!!」
アズさんの手には
剥き出しの、ビーズのネックレス
私のとお揃いのデザインだけど
色が、違う
―――シノには赤
ユリちゃんには黒
マキちゃんには、ピンクだった
けど皆、
ちょっと戸惑ってる
「…アズル これ
渡す色、違ってない…?」
シノが、そう言ったけど
アズさんは「ううん」と
首を横に振った
「……だって、シノは、情熱家だから」
シノは
白い指先から
その赤いネックレスを受け取り
胸に、抱きしめる
「……嬉しい…
私、家が和風だったり
見た目のせいで
グリーン系とか、和モノとか
イメージあるみたいで
―――そんな事言ってくれて
赤いネックレスなんて
貰った事なかったから…」
「……うん 私も〜…
ノンビリしてるせいか
なんかピンクとか白とか
子供っぽいもの貰う事
多いんだぁ…
……何で、黒にしてくれたの?」
「…ユリは、人の気持ちがわかる
大人のオンナ。だから」
ユリちゃんは、目を見開いたけど
次には照れて
アズさんを、バンバン叩いた
「黒、本当は好きだから、嬉しい…
ありがと!アズ!」
ユリは早速、首につける
そしてマキちゃんが、
かなり驚いてる
「………ピンク…?」
そうなのだ
黒をあげるとしたら
本来なら、マキちゃん行き
普段の私服も
黒とか白とか、モノトーンが多い
マキちゃんの身近で
ピンクなんて文字は…
――――――― あ
「……ありがとう…アズさん」
マキちゃんは
すっかり泣いてしまって
意味がわかった私も
一緒に、泣いた