Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜


「……ユリちゃんの話は
たまにヘビーだよね」

「あは

…彼女さん、亡くなったのかなあって
少し、思ったの」

―― いや それは違う だって


「…わかんないけど」

「考えすぎかもだけどね〜
…そう言えば当日、野外だっけ
皆行けそう?」

「うん マキちゃんはオッケーだし
シノも20日からは時間あるみたいで
絶対行く!って奇声あげてたよ」

「シノ、赤池さん大好きだからね〜」

「そうなの?!」

「ユカの『ししょー』みたいな
感じじゃない?
あんな風に叩ける様になりたいって
言ってたもん〜」

「…そうだったのかあ……」

「私は緑川さん、
相談受けて貰って
カッコイイなあって思ったけど
妻子持ちだもんね〜」と

ユリちゃんは、泣き真似をし
私は笑った



―― 久しぶりに
店を少し閉めて、家族と海に行くんだ ――
ユリちゃんは嬉しそうに話をして
電話を切る


…家族で海に行くとか
花火をするとか
自分にとっては日常で

マキちゃんが言ってた"贅沢"とか
考えた事なんか無い



青山さんは雑誌で
"コイツしか居ないですから"と
ベースの話をしてた

そしてユリちゃんは
"彼女さん
亡くなったんじゃないかなあ"と言う

でも、青山さんは
『Azurite』を、一生好きだと言った




…… 一体、どういう事なんだろう


考えていたら
下からお母さんの声

『肉焼くよ〜〜!!!』


'焼く"の辺りで
部屋から飛び出た







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