Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



「……テメエは…自覚しろ……!!」




キャップが 擦れ
前髪を乱して、呆然とする『彼』と
私達を残し

マキちゃんのアニキは
『ふざけろテメエは!!』と
怒鳴りながら
ドアを蹴破って、中に入った

そして、次々と階段を
体格の良い男の人達が昇って来る


部屋の中では
それ以降、怒声が起こる事も無く

門の外に停められた車
――覆面パトカーの中に
手元を、スーツの上着に隠された
この部屋の住人が

よろける様に 降りて行った




< 93 / 430 >

この作品をシェア

pagetop