残された気持ちダケ…
 その事があってから、私は前より『私なんか...』と思うことも減って、毎日が楽しかったです。

 いつか告白しようとも思いました。いつか...。それが大きな間違えだったのです。
 会えない日が続いたのです。見かける事も出来ず、また、考えてるだけの私に戻りました。そうしている間に、もう一週間前でした。こうして、物語に続きます。
 
 この物語は、とても中途半端に終わっているのですが、実は卒業式の後に、私は先輩の家に行き、告白を試みました。学校の規定で、卒業式の退場が終わったら在校生は、卒業生が帰る前に、荷物をもって学校から帰宅しなければならなかったのです。到底、第二ボタンなど貰える時間もないわけで…。

 私は諦めきれないので、最後の最後だと思い、先輩の家まで行きました。寄り道は校則違反なので、一回家に帰り、着替えて行きました。
 私の家から、学校まで50分。私の家から、先輩の家まで30分。
 先輩が卒業式を終え、ホームルームを終わらせて家に帰る時間には、間に合うはずもないのに…私は必死に自転車をこいで、髪が乱れるのも、なにもかも全部忘れて、ただただ先輩のことだけを考えて…。 
< 70 / 72 >

この作品をシェア

pagetop